ケーブルクロスオーバーは、バーベルやダンベルでは刺激しづらい大胸筋の内側を重点的に鍛えることができます。
ケーブルクロスオーバーのやり方
・ケーブル(ワイヤーを引くマシン)の滑車を上部にセットし、片手用のハンドルを取り付けます。
・ハンドルを順手で握り、ケーブルマシンの中央・やや前方に立ちます。(片足を少し前に出すと、バランスをとりやすくなります)
・両手を体の横・上方に構えて胸を張り、ヒジは痛めない程度に軽く曲げて、動作中その角度を維持するようにします。
・背筋を伸ばして、上体を15~30度程度、前に傾けます。
・息を吸って体幹に力を入れ、吐きながら腕を体の前・下方に、丸太を抱えるようなイメージで閉じていきます。
・両手が体の前で合わさるか、やや交差させるようにして一瞬静止、胸筋を引き締めるようにして力を入れます。
・息を吸ってゆっくりと腕を開いていき、胸筋をストレッチさせてから、繰り返します。
ケーブルクロスオーバーで鍛えられる筋肉
腕を横に広げ、肩関節を内転する(胸の前で閉じる)ことで、まず大胸筋の外側と三角筋(肩の筋肉)の前部が主に働きます。
そうして、腕が体の前を横切っていくときに大胸筋の中央と内側の働きが大きくなります。
その他、烏口腕筋(腕の付け根の奥の小さな筋肉)も動作を補助するのに働きます。
また、(腕を上方から斜め下へ引くことで)肩甲骨が下方回旋する(回りながら下へ下がる)ことで、前鋸筋(ろっ骨の外側、わきの下)・小胸筋(大胸筋の奥)が動作の補助に働きます。
ケーブルクロスオーバーの効果
ボディメイクでは(ヒジの曲げ伸ばしが加わらず、上腕三頭筋⦅上腕の裏側、二の腕⦆が使われないので)大胸筋を重点的に仕上げるのに効果的です。(とくに胸筋の内側部分を刺激することができます)
スポーツでは、腕を体の中心線に向かって引き寄せる動作、野球やゴルフのヒッティング・格闘技の引きつけや打撃・体操などの動作に役立ちます。
まとめ
・ボディメイクでは、大胸筋の外側・内側部分を刺激して鮮明に見せるのに効果的です。(とくにマシンの場合、手を合わせたところでも負荷がかかるので、ダンベルなどに比べて内側部分を刺激するのに効果的です)
・動作中、ヒジはやや曲げた状態を維持するようにして行います。(ヒジ関節を保護するほか、上腕三頭筋⦅上腕の裏側、二の腕⦆の働きを抑え、胸筋の緊張を維持して行うことができます)
・動作中、上体は一定の角度を保つようにして行います。ケーブルクロスオーバーは大胸筋の仕上げ、胸の細部を整える中・上級者向けの種目になるので、重量は軽めにしてゆっくりとした動作で、大胸筋の伸び縮みに意識を集中するようにします。
(基本的な筋力・筋肉量のアップは、ベンチプレスなどプレス系の種目で行います)
・腕を前方に引いて肩をやや前に丸めるようにすると、胸筋を引き締めるとともに肩甲骨が外転して(外側に開いて)前鋸筋を刺激することができます。
・一般的な上半身を起こしたハイケーブル(上方から斜め下へ引く)クロスオーバーだと、大胸筋の下部の働きが大きくなります。
(ケーブルを体の真横にセットすると大胸筋の中部が、下にセットする⦅下方から斜め上に引くと⦆上部が刺激されます)
ここまで読んでくださって。本当にありがとうございました。