シットアップは、仰向けの姿勢から上体を起こすことで、主に腹直筋(腹部正面)を鍛えることができます。腕の位置を変えて強度を調節したり、またひねりを加えることで腹斜筋(わき腹の筋肉)も刺激することができます。
シットアップのやり方
・床に仰向けになって、ヒザを90度に曲げて足の裏を床につけます。
(上体を上げる前に足が上がってしまう場合は、足を壁につけたり、パートナーに抑えてもらってもよいです)
・手は太ももの前に沿えると比較的容易に行えます。(腹部・胸・頭の横と手を上に挙げていくほど、腕の重さが加わって強度が上がるようになります)
・軽く息を吸って腹筋を引き締め、吐きながら頭・肩・体幹部をゆっくりと上げます。
(頭を上げると腹筋が引き締まり、脊椎⦅背骨⦆はまっすぐになります)
・背中の上部を丸めながら上げて、上半身が床に対して45度くらいになるまで起こしていきます。
・息を吸って上半身を伸ばしながら戻し、いったん静止してから、繰り返します。
シットアップで鍛えられる筋肉
脊柱を屈曲させる(上体を前方へ丸める)ことで、主に腹直筋(いわゆる腹筋、腹部正面の筋肉)の上部を鍛えることができます。
腹直筋はろっ骨の下部から骨盤まで、腹部正面の細く長く伸びる筋肉になります。
(筋線維が横向きに走り、また3~4本の腱画が横切っているため、発達すると「腹筋が割れて見える」ようになります)
また、外腹斜筋・内腹斜筋(わき腹の表層と深層の筋肉)も動作を補助するのに働きます。(ツィスティングシットアップ⦅動作の最後に上体をひねる種目⦆だと、腹斜筋の働きがより強くなります)
股関節屈筋群(太ももの付け根を曲げる筋肉、大腿直筋⦅太もも前面⦆・腸腰筋・恥骨筋⦅太ももの付け根奥⦆)も、動作を安定させるのに関与しています。
シットアップの効果
ボディメイクでは、腹筋(とくに腹部正面の上部)を発達させ、「6つに割れた腹筋」をつくるのに効果的です。
日常やスポーツでは股関節・脊柱を屈曲する(脚を上げる・上体を丸める)動作、ウォーキングやランニング、ボールを投げる・ラケットを振る、また背筋とともに体幹部が強化されることで姿勢の改善・格闘技の攻撃や防御などに役立ちます。
まとめ
・シットアップでは仰向けの姿勢から上体を起こすことで、主に腹直筋(腹部正面、とくに上部)を鍛えることができます。
・シットアップをより安全また効果的に行うには、まず頭を上げてから肩・体幹部を上げるようにします。股関節屈筋への負荷を減らし、腰への負担を軽減することができます。
(腰に不安がある場合は、肩までを上げるクランチやツィスティングクランチが勧められます。床から肩をわずかに上げることで腹筋を引き締め、下背部への負担を抑えることができます)
・通常、シットアップやクランチは動作中に腹筋の緊張を保つため、体を下ろしたとき肩と頭は床につけないようにします。
⦅ただし、背中や腰の柔軟性を高めたい場合はフルレンジの動作(上体を床まで下ろした姿勢から、45度まで上げる)を取り入れることも効果的です⦆
・動作の最後に上体をひねるツィスティングシットアップだと、体幹部を回旋する(ひねる)ことで腹斜筋(わき腹の筋肉)の働きをさらに大きくすることができます。
ツィスティングシットアップでは、腰を丸めた状態でひねると痛めることがあるので、上体を挙げて背中をまっすぐにしてからひねりを加えるようにします。
(クランチ⦅腰は床につけたまま⦆で、肩を対角線上のヒザに向けて上げるようにしてもよいです)
・シットアップは、主に腹直筋の上部が働くので、下部(下腹)により負荷をかけるには骨盤側(下半身)を上げるリバースクランチなどを加えると、腹筋全体を鍛えるのにより効果的です。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。