大胸筋の構造と働き
胸板を形づくる大胸筋は、胸の前面を覆う扇状の筋肉で、鎖骨部(上部)・胸肋部(中部)・腹部(下部)から成り、それぞれ作用する方向が少しづつ異なってきます。
大胸筋の主な働きは、肩関節を水平内転する(横に広げた腕を前方へ押す)動作で(とくに中部線維)、そのほか下部が内転する(腕を下方・中央へ振る)、上部が屈曲する(腕を下方から前・上方へ挙げる)働きがあります。
大胸筋上部を刺激するエクササイズは、頭側をやや上げたベンチで行うインクラインベンチプレスがもっとも一般的です。
大胸筋上部に効果的なインクラインベンチプレスの角度
大胸筋上部をもっとも安全・効果的に鍛えるには、インクラインの角度は30~45度が目安。
垂直に上体を立てると負荷は主に三角筋(肩)に、床と水平にすると中部(から下部)の働きが大きくなってきます。
(ただしショルダープレスや通常のベンチプレスも、上体の角度やウェイトを挙げる軌道により、上部もある程度刺激されます)
大胸筋全体をバランスよく鍛える方法
胸の上部~下部までバランスよく鍛えるには、胸をさまざまな角度から刺激する必要があります。
アーノルド・シュワルツェネッガー(70~75・80年ミスターオリンピア:ボディビルチャンピオン)やチャールズ・グラス(米国のパーソナルトレーナー:チャンピオンから一般人までさまざまな人を指導)はベンチの角度を変えて行う「マルチプレス」を推奨しています。
これは、背もたれを垂直近くにセットしたベンチでプレス動作を行い、セットごとに背もたれの角度を後ろに倒していくという方法。
フラット(平ら)に近づくほど大胸筋全体が働くので、三角筋・大胸筋上部から中部・下部へと追い込んでいくことができます。
自重で行う場合は、代替種目としてプッシュアップ(腕立て伏せ)も効果的。やや強度が高くなりますが、足をイスやベンチに乗せて行うと大胸筋の上部・床につけると中部・ヒザをつけて行うと下部を刺激することができます。
筋力に応じて選択したり、3種目連続して行うと胸全体を追い込むこともできます。
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